自転車と釣りと余白と

自転車と釣りと周辺の余白について

浜名湖のチヌ釣りとガイドサービス

8月初旬、静岡県浜名湖にてチヌ(クロダイ・以下チヌと表記)のフライフィッシングガイドサービスを利用して楽しんできた。

昨年9月末、釣り仲間に誘ってもらい初めて浜名湖へ釣りに行ったのだが、その日は荒天でサイトフィッシングが出来ず、残念な結果となった。その日は、釣りの途中で次回への勉強と割り切って、ガイドの喜多さんにこの釣り(チヌのサイトフィッシング)のノウハウ(特にチヌの見つけ方)をみっちり教えてもらった。
それから1年後の今年8月、その実践釣行となった。

 

真夏の晴天となった当日は、朝からチヌの姿をよく見た。素人の私でもそれなりに視認できるような状況だったが、ガイドの喜多さんはそれ以上に素早くチヌをサイトしてくれて的確なアドバイスを出してくれる。ガイドの目は確かで全くの隙が無い。ガイドが指し示した魚影を私自身も確認したら、それらに向けてフライを投げる。
しかし、中々バイトに繋がらない。ガイド曰く「なんで今ので食わないの!」という状況が続いた。ちょっとフライを追いかけてはみたものの途中で嫌って帰ったり、全く無視したりというのが続いた。私が未熟で正確にフライを投げられないというのもあるが、それにしても、もどかしい時間が続いた。

 

湖面に立ち込んで2時間ほどもどかしい時間を過ごしてから、ようやくチヌを釣った。
それは、私自身で見つけたテイリング(チヌが湖底のエサを食い尾鰭が水面上に突出する状態)だった。そのチヌは単独でエサを食っていた。波間に一瞬だけ尾が上がったのを視認し、その場所をマークして、そっと回り込んでフライを投げ、釣った。
南西の微風が湖面をわずかに乱す中、最適であろう位置にて再度尾が上がるのを待ち、再び尾が上がった時に、そこへ向けてフライを投げた。
「追ってますよ!!追ってますよ!!」
ガイドが言ったその時、ゆっくりとリトリーブしていたフライラインが何かに引っかかったような感触と共に真っ直ぐになった。バイト・・・
早アワセ、竿を大きく煽るアワセは厳禁と自身に言い聞かせながらフライラインを手繰り続け、充分に重みを感じてから竿を起こす。
青いブランクカラーのグラスロッドが曲がり、走るチヌをいなす。
数度のやり取りがあって、ガイドの差し出すネットに収まった。
がっちりと握手をする。1年待ってやっと手にした。


ゼロとイチでは極限に違う。ようやく1尾を手にし、妙な緊張もほぐれて、何か憑き物がとれたように気持ちが軽くなった状態で、その後釣りを続けた。
程なくして、2尾目のチヌを釣る事が出来た。
2尾目のチヌは、フライを投げて、目の前を通すと、猛然と追いかけてきてフライを咥えた。


この日は結局2尾のチヌを手にした。どちらもサイトフィッシングで仕留ることが出来た。

今回、ガイドサービスを利用して釣りをしたが、非常に「質」の高い釣りが出来た。
ガイドサービスを使うことに対して、釣人それぞれの考えはあると思うが、私自身はそれほど拘りが無いので、特に浜名湖のような釣り場なら積極的に利用しようと思っている。
よく知らない釣り場、特に遠方の釣り場で、限られた時間で釣りに集中したいとなったら、ガイドサービスの利用は最適解だと思う。
もちろん、自分自身でゼロから組み立てて釣りをする事の面白さ(いや寧ろそれこそが私自身の釣りの信条である)は良くわかるのだけれども、「質」の高いガイドサービスの利用は、釣りそのものを純粋に楽しめるので、遠方への釣り旅や時間が限られた中での釣りに利用してみる事をお勧めしたい。
日本ではまだそれ程「質」の高いガイドサービスが普及していないような気もするが、これから発展して行くと思う。
また、ガイドサービス=確実に大漁を保証してくれる・無垢な魚を一杯釣らせてくれる・魚釣りではなく魚獲りをさせてくれる・・・ではないという認識が釣人側に一般化して欲しいと個人的に願っている。

 

 


※参考

今回お世話になった浜名湖のガイドサービス

ワタツミガイドサービス 代表 喜多賢治さん