釣りと釣人
真夜中の20号線を北上する。峠道を登り分水嶺を越える。アイダホ州からモンタナ州へ。川は太平洋から大西洋へと流れを変える。昼間に較べすれ違う車も少ない。外気温は10度を下回っている。ヘッドライトが照らし出す真っ直ぐな道を走る。午前2時過ぎに、2週…
DAY 11 JLY/20 2024 土曜日。 「今日は何してたの?」午後、毎日利用している宿所のグリルでいつものようにサンドイッチを注文した際に、アルバイトのメガネをかけた女の子に話しかけられた。昨日も同じように話しかけられた。曰く、毎日何しているの?と。…
DAY 10 JLY/19 2024 金曜日。 釣行10日目の朝、快晴。いつも数台の車が止まっているレイルロードランチの郵便受け前の駐車場に1台の車もなかったので反射的に駐車場に入る。これで今日のポイントがボーンフィッシュフラットと言われる広大なプールに決まった…
DAY 9 JLY/18 2024 木曜日。 釣行9日目の朝を迎える。毎朝日の出前に起き出して、湯を沸かしコーヒーを飲みバケットとバナナを食べて朝食とし、下着類の洗濯をし部屋の掃除をしてから川へと出発している。ときおり起きてすぐにテレビのスイッチを入れてCBSニ…
DAY 6 JLY/15 2024 月曜日。 夜明け前に起きる。昨夜寝る前にこれまでの事を思い返していた。ヘンリーズフォークでライズに対峙したい、釣りがしてみたという抽象的な思いを、ヘンリーズフォークへ行く、ライズを釣るのだと具体化し実行に移したのは2019年の…
DAY 2 JLY/11 2024 木曜日。 午前5時に起きる。外はほんのりと夜明けの気配。気温12度。湯を沸かし日本から持参したインスタントコーヒーを作り飲む。買い込んだバケットとバナナを食べる。ゆっくりとした朝食を終えるとすっかり明るくなっていた。快晴。食…
"Was vernünftig ist, wird wirklich, und das Wirkliche wird vernünftig." 「理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である」 Hegel 2024年7月10日から21日までの12日間、アメリカ合衆国・アイダホ州ヘンリーズフォークにてライズに対峙した記…
8月初旬、静岡県浜名湖にてチヌ(クロダイ・以下チヌと表記)のフライフィッシングをガイドサービスを利用して楽しんできた。 昨年9月末、釣り仲間に誘ってもらい初めて浜名湖へ釣りに行ったのだが、その日は荒天でサイトフィッシングが出来ず、残念な結果と…
本流山女(ヤマメ) 今年2022年も、春から初夏にかけて、いつもの本流へヤマメ(山女)釣りに通った。もうかれこれ20年近くその川に通っている。飽きもせずよく通えると思うが、一向に飽きる気配が無い。今年も桜が咲き始めた頃から川通いが始まった。3月末…
ヒラスズキをフライフィッシングで釣ることが私にとってのパイオニアワークだった頃の話。理性を越えた先に。 ・・・ 低気圧の通過した12月の朝。濡れた山道をひたすら歩き稜線へ登り詰めたその眼下、木々の間からわずかに見える海岸線は、打ち寄せる波に…
2021年も1ヵ月半が経過した。相変わらず新型コロナウイルス(COVID-19)は収束及び終息の兆しが見えないような世の中ではあるが、あと少しで河川が解禁だと思うと、気持ちが軽くなり身体も軽やかに動くような気になる。早く川原に立ちたい。 昨シーズンは、ど…
釣人は絶えず対峙している。 それは魚であったり、 水面であったり、 風であったり、 太陽であったり、 漆黒の暗闇であったり、 輝く月であったり、 嵐であったり・・・しかし、本当に対峙しているものは「何か」ではない何か。彼らの眼前の風景は、それでは…
「ヘンリーズフォークでライズに没頭したい」 長年そう思い続けるばかりで、具体的な行動に起こさなかった。そのうちに、またいつか、という具合に想像の域を出ない物語でしかなかった。アメリカ・アイダホ州のスネークリバー水系、テイルウォーター、水草が…
荒涼とした原始が剥き出しの世界へ浸透してゆく釣人。 釣人は荒れ狂う海に対峙し、ヒラスズキを追う。 自然との対話、自然への畏敬の念、自然の恵みに感謝・・・ そのような感傷的な言葉など、一切顧みることなく、ただひたすらに、ヒラスズキを追う。対話を…